星雲の漢方勉強日記

漢方・薬膳関係の勉強・考察日記

寄り道 漢方「杞菊地黄丸」について

杞菊地黄丸(コギクジオウガン)
・菊花(キクカ)
・枸杞子(クコシ)
・地黄(ジオウ)
・山茱萸サンシュユ
・山薬(サンヤク)
・茯苓(ブクリョウ)
・沢瀉(タクシャ)
・牡丹皮(ボタンピ)
の生薬が入っています。

杞菊地黄丸ですが六味丸に、
菊花(キクカ)と枸杞子(クコシ)がプラスされた漢方薬です。

六味丸は
地黄、山茱萸、山薬、茯苓、沢瀉、牡丹皮ですね。
陰液を増やす漢方薬と思っていただければいいと思います。

陰液を増やして、肝の熱を冷ます。
血や陰液を増やして滋潤する感じですね。
特に充血しやすい方にはいいと思います。
ただし十二分な陽がある方ですね。
足の裏に良く汗をかく人や寝汗が多い方なども対象に入ります(虚熱)。


よく名前を聞くと思われる、
八味地黄丸は六味丸にプラス
・附子(ブシ)
・桂皮(ケイヒ)
がプラスされた漢方薬です。
こちらは温める処方ですね。
附子が強烈に陽を上げるため、
身体に内熱が溜まっている方は六味丸にしないといけません。
六味丸で陰を増やして附子と桂皮でいいとこどりじゃないかと思われるかもしれませんが、
陰と陽のバランスがとても大事なのでいいとこどりにならないのが漢方の奥深い所。


生薬の説明として
菊花
・解表剤(辛涼解表剤であり八法の汗法になります)
・発汗、発散であり冷やしながら解表
・温寒は涼(熱を下げる、火邪を取り除く、毒素を取り除く)(対象となる病証:熱証、陽証、陰虚証)
・帰経は肺・肝
・五味は苦
・解熱・消炎・解毒・発散


枸杞子(クコシ)
・補虚薬(補陰、陰液を補い虚性の熱を制御する)
・肝、腎の滋養強壮(陰虚血虚
・温寒は平(熱を取り除き、内部を温める2つの作用をより穏やかに行う)
・帰経は肝、腎、肺
・五味は甘
・強壮・鎮静・めまい・補甘腎・生精血


地黄(ジオウ)
・補虚、補血
・温寒は温
・帰経は肝・腎
・五味は甘
・滋潤・血糖降下・温める・補血滋陰


山薬(サンヤク)
・補虚(正気を補う)、補気
・温寒は平
・帰経は脾・肺・腎
・五味は甘
・滋養・強壮・止渇・糖尿病を直す作用


茱萸サンシュユ
・収渋薬(体内からもれ出るのを止める)
・温寒は温
・帰経は肝・腎
・五味は酸
補血・強壮・止汗・止尿・滋養


沢瀉(タクシャ)
・利水滲湿薬(水分代謝を調節し不要な水分を排泄する)
・温寒は平(熱を取り除き、内部を温める2つの作用をより穏やかに行う)
・帰経は心・脾・肺
・甘淡(淡は利尿で対象となる病証は水湿証)
・利尿・鎮静・健胃・対めまい・利尿滲湿・益脾腎


牡丹皮(ボタンピ)
・清熱、清熱涼血薬(血中の熱を除去)
・充血性鬱血の浄血、止血、鎮静(熱を除き血を冷やす、血を活性化し血の停滞を解消)
・肝火の上昇を取り除く
・温寒は涼(熱を下げる、火邪を取り除く、毒素を取り除く)(対象となる病証:熱証、陽証、陰虚証)
・帰経は心・肝・腎
・五味は苦
・消炎・活血・消炎性駆瘀血(妊娠中はNG)